おねしょで困っていませんか?

夜尿症とは夜間入眠時に無意識に尿が漏れてしまう病気です。
「5歳以上で1か月に1回以上の頻度で夜間睡眠中の尿失禁を認めるものが3か月以上つづくもの」と定義されています。年齢が進むにつれて改善することが多いのですが、まれに成人になっても0.5~数%は夜尿が解消されないまま移行すると言われています。生活指導を含め治療介入すると自然経過に比べて治癒率を2~3倍高めることができるため、そのまま放置よりも治療開始した方が生活の質を高めることが予想されます。
日本人はおねしょしている事を恥ずかしく思い、隠してそのまま経過している事があるので、治療介入したらおねしょから解放される時期が早まるので、思い切って医師に相談してみましょう。
夜尿症の原因

膀胱が尿でいっぱいになっても深い眠りのため、覚醒しないという覚醒障害を基礎として存在し、膀胱の動きが未熟であり膀胱に溜めておける尿の量が少ない事(膀胱型)、または、夜間尿量が多い事(多尿型)もしくは両方が重なり(混合型)夜尿が起こります。
昼間でも尿失禁があるような場合には、尿路感染症や尿路奇形が存在する事があるので、高度医療施設へ紹介する場合があります。
夜尿症の治療
治療として、生活指導や行動療法を開始し、効果が乏しい場合には抗利尿ホルモン剤を内服します。
生活指導とは日中最低6回以上はトイレに行く習慣をつけてもらい、寝る前にも必ずトイレに行くようにしていただきます。また、便秘にならないように食物繊維を多くとるように心がけていただきます。
生活指導でもあまり改善が見られないような時には、抗利尿ホルモンの内服を開始します。夜間は尿量を減らすために抗利尿ホルモンというホルモンが分泌されるのですが、夜尿症のお子様はこの分泌が少ない場合があります。
その場合には内服治療が有用で、寝る前に内服していただきます。利尿しないようにするホルモンで、水を体に蓄える作用があるので、水中毒を避けるために寝る2時間前から水分の摂取を控えていただきます。
口腔内崩壊錠なので舌下で溶解させて口腔粘膜から吸収させます。口の中で溶かさずに飲み込むと吸収率が低下するので注意が必要です。