赤ちゃんの頭のかたちに不安がある方は
当クリニックへご相談ください

当クリニックでは、赤ちゃんの頭の形に関するご相談に対応いたします。
出生時の頭の形が不安定だったり、成長過程で頭のかたちが気になる場合は、早期に専門的なアドバイスを受けることが重要です。特に、寝かせる向きによって偏頭位(ヘルメット型)や扁平頭(平らな頭)などが生じることがありますが、これらは多くの場合、適切な対処で改善が可能です。
-
『赤ちゃんの頭のかたち外来』では、赤ちゃんの頭の形を診察し、問題があるかどうかをチェックします。必要に応じて、改善のための姿勢指導や、寝かせる向きの工夫、専門的な治療方法を提案します。
-
赤ちゃんの頭のかたちに関する不安や疑問を持つ保護者様に対して、専門的な視点でサポートし、安心して育児ができるようお手伝いします。頭のかたちが気になる方は、ぜひ早期にご相談ください。
-
当クリニックで治療が可能な場合は、日本で開発された矯正ヘルメット『baby band(※)』での治療をさせていただきます。
頭蓋形状矯正ヘルメット:ベビーバンド3 医療機器承認番号:30500BZX00071000
赤ちゃんの頭の歪みの
主な原因
赤ちゃんの頭の形に歪みが生じる原因には、『病的な歪み』と『病的ではない歪み』の2つに大別されます。診察で下記について判断する必要があります。
『病的な歪み』の場合は専門医療機関での加療が必要となります

『病的な歪み』は『頭蓋骨縫合早期癒合症』という症状で専門医療機関での加療が必要となります。
赤ちゃんの頭の骨を構成する縫合部分が通常よりも早期に癒合してしまう疾患です。頭蓋骨は複数の骨から成り立ち、出産時には柔軟性を持ち、脳の成長に合わせて拡がりますが、縫合が早期に癒合することで、脳の成長に支障をきたすことがあります。この状態は、赤ちゃんの頭の形が通常とは異なり、変形することが多く、発育に影響を与える可能性もあります。
頭蓋骨縫合早期癒合症の原因は、遺伝的要因や染色体異常、ホルモン異常、さらには母体の環境因子などが関与しているとされています。遺伝的な要因としては、特定の遺伝子異常が原因となり、クルーゾン症候群やアペール症候群などの先天的な症候群に関連することがあります。また、妊娠中の母親の生活環境や薬剤使用も影響を与える場合があるため、早期の発見と対応が重要です。
症状としては、頭の形が不自然に変形したり、特定の部分が膨らんでいたりすることが挙げられます。これにより、頭蓋内圧が増加し、脳の発育に影響を与える場合があります。診断は、専門医による詳細な検査と頭部のCT検査やMRI検査などを用いて行われます。
治療方法としては、早期の段階での矯正手術が有効であり、縫合が癒合する前に適切な治療を行うことで、後遺症を防ぐことができます。治療のタイミングが早ければ早いほど、改善の可能性が高いため、気になる症状があれば早めに専門医に相談することが推奨されます。
『病的ではない歪み』の場合は当クリニックでのヘルメット治療の対象です
『病的ではない歪み』は『位置的頭蓋変形症』という症状で当クリニックでのヘルメット治療の対象となります。
位置的頭蓋変形症は、赤ちゃんが長時間同じ姿勢で寝ていることによって、頭の形が変形する状態です。特に、仰向けに寝かせることが推奨されている新生児期に多く見られ、頭の片側が平らになったり、後ろに突出したりすることがあります。この変形は、頭蓋骨が柔軟である新生児期に起こりやすく、通常は成長とともに改善しますが、早期に対処しないと長期間残ることもあります。
予防としては、寝かせる向きを頻繁に変えることや、うつ伏せでの遊び時間を取り入れることが推奨されます。多くの場合、軽度であれば特別な治療を必要とせず、時間と共に自然に回復しますが、気になる場合は当クリニックでの受診をお勧めいたします。
位置的頭蓋変形における頭の形の歪みパターン
-
斜頭
- 向きぐせや斜頸のある赤ちゃんによく見られます。
- 頭頂からみると、平行四辺形に見えることがあります。
- 耳の左右差があることがあります。
-
短頭
- 仰向け寝の時間が長い赤ちゃんによく見られます。
- よく絶壁と表現されます。
- 頭の前後の長さが通常より短いのが特徴です。
-
長頭
- NICUで数ヶ月過ごした赤ちゃんに見られるといわれています。
- 保育器内で横向きの姿勢をとることが多いからといわれています。
『病的ではない歪み』の『位置的頭蓋変形症』
に対する治療
頭の形を改善するための治療方法には、『体位変換』や『タミータイム』などの理学療法と『ヘルメット治療』があります。
体位変換

治療方法のひとつである「体位変換」は、赤ちゃんの頭の形を改善するために非常に効果的なアプローチです。
赤ちゃんは、まだ筋力が十分に発達していないため、寝ているときに頭を一定の方向に偏って寝かせることが多く、その結果として頭の形が偏平になることがあります。このような状態を改善するためには、赤ちゃんを適切な位置に寝かせたり、定期的に寝かせる向きを変えることが重要です。
体位変換は、赤ちゃんが寝ている時間帯において、頭部にかかる圧力を均等に分散させることを目的としています。例えば、寝かせる向きを交互に変えたり、少し体を傾けるようにしたりすることで、特定の部位に過度な圧力がかかるのを防ぎます。また、赤ちゃんが目を覚ましている時間には、うつぶせ寝やお腹の上で遊ぶ時間を増やすことも推奨されます。これにより、首や背中の筋肉が強化され、自然と頭の形が改善されやすくなります。
体位変換は、特に生後数ヶ月の赤ちゃんに効果的ですが、早期に始めることで改善が早く見られることが多いため、注意深く実施することが大切です。この治療法は、頭の形を整えるために簡単でありながら、赤ちゃんに負担をかけることなく、自然に行うことができるため、多くの家庭で実践されています。
うつ伏せ寝は呼吸ができなくなる危険があるため、寝かせるときは必ず仰向け寝にします。
タミータイム(うつぶせ遊び)

『タミータイム(うつぶせ遊び)』は、赤ちゃんの健康的な発育をサポートするために推奨される重要な活動のひとつです。
赤ちゃんが目を覚ましている時にうつぶせの姿勢で遊ばせることを指し、頭の形を改善するためにも非常に効果的です。赤ちゃんがうつぶせで過ごす時間を増やすことによって、首や背中、肩の筋肉が強化され、自然と頭を持ち上げる力が育まれます。この筋力がつくことで、寝ている時に頭が偏った方向に圧迫されることを防ぎ、頭の形が改善されやすくなります。
タミータイムは赤ちゃんの運動能力や認知機能の発達にも大きく寄与すると言われており、うつぶせの姿勢は、首を持ち上げることを促進し、その後の寝返りや座る、歩くなどの運動能力を育む基盤となります。さらに、赤ちゃんはこの姿勢で周囲の景色をよく見ることができ、視覚的な刺激を受けることで視覚や認知の発達にも良い影響を与えます。
窒息を回避するため地面の柔らかい場所では行わず、固いマットや床の上で必ず保護者がみている環境下で行うようにします。またそのまま寝てしまわないように気をつけましょう。
ヘルメット治療

『ヘルメット治療』は、赤ちゃんの頭の形が偏平または歪んでいる場合に行われる矯正治療です。
1998年に米国で医療機器として承認され、日本では2018年に承認されました。
治療期間は主にヘルメット治療開始した時点の赤ちゃんの月齢によって異なりますが、早期に治療するほど短期間で終了でき歪みの改善度が高くなります。
『ヘルメット治療』
について
ヘルメット治療の原理

赤ちゃんの頭の形を改善するために、頭部に均等な圧力をかけることで自然な形へと導きます。
赤ちゃんの頭は柔軟で成長が早いため、特定の部位に圧力がかかり続けると偏平や歪みが生じやすいです。ヘルメットは、頭の成長に合わせて個別に設計され、圧力が過度にかかる部分を避け、逆に成長を促す部分に軽い圧力を加えます。
この調整を繰り返すことで、頭の形が徐々に改善され、正常な形に近づいていきます。治療は通常、生後4ヶ月から1歳半頃までの間に行われ、定期的に調整を行うことで効果的に進行します。
ヘルメット治療ビフォーアフターイメージ

ヘルメットの基本構造
構造はヘルメットの種類により異なります。

シェル
歪みのない頭のかたちに誘導する役割を担いうパーツです。赤ちゃん一人ひとりの頭の形に合わせて設計します。
軽量化と通気性を高めるための小さな通気孔が配置され、水や中性洗剤での丸洗いが可能です。

クッション
上述のシェルと赤ちゃんの頭との緩衝材としての役割を担います。
過度の圧力防止や、擦れによる肌トラブルを軽減します。
シェルの取り外しも容易で、洗濯機での丸洗いも可能で(洗濯ネット必須)、清潔な状態を維持することができます。

ストラップ
ヘルメットをつけ外しする際に使用します。
ヘルメットを適切な位置で固定し、ずれることを防ぎます。
ヘルメット治療の流れ
以下のフローチャートのように治療を進めます。
※スマートフォン表示時は左右にスクロールしてご覧ください。

ヘルメット治療のご留意点
納期について
ヘルメットの発注から装着まで、通常約2週間が必要です。診断後、赤ちゃんの頭の形に合わせたカスタムメイドのヘルメットを作成し、適切なタイミングでお渡しします。また、赤ちゃんの頭の成長が治療の効果に大きく関わります。治療を早い月齢で始めるほど、効果が出やすく、治療期間も短縮されることが多いため、気になる場合は早めに専門の医療機関にご相談いただくことをおすすめします。
装着時間について
ヘルメットは1日23時間の装着が推奨されます。入浴や汗を拭き取る時間を除き、ほぼ一日中装着していただくことで、効果が最大化されます。装着時間が長ければ長いほど、偏平部分の成長が促進され、治療効果も高まります。ただし、赤ちゃんが体調不良の場合や、遊び時間、写真撮影、肌に赤みが出た場合など、短時間の休憩を取ることは問題ありません。
ヘルメットは清潔に維持してください
ヘルメットのシェルやクッション部分は定期的に洗浄し、清潔に保ってください。手入れを怠ると、臭いや皮膚の炎症、赤ちゃんが不快感を感じることがあります。清潔を保つことで、快適に使用でき、治療効果も安定します。
通院について
ヘルメット治療中は、月に1回程度の通院が必要です。赤ちゃんの月齢や歪みの状態によって通院の頻度は異なりますが、基本的には治療経過の確認や、ヘルメットの調整を行います。定期的なチェックで、順調に治療が進んでいるかを確認します。
治療期間について
治療期間は、赤ちゃんの頭の歪みの程度や治療開始時期により異なりますが、一般的には2~6ヶ月程度です。早期に治療を開始することで、より短期間で効果が現れることが多いため、気になることがあれば早めにご相談ください。
ヘルメットは13種類のカラーバリエーション

ヘルメット治療の費用
初診時の診察
<保険診療>
- 問診・診察・検査による病的頭蓋変形症かどうかの診断
- 検査は必要に応じ、頭蓋骨の病気がないかどうかの診断のために行います
ヘルメット治療費用
<自由診療>
355,000円円(税込)
- 実際にヘルメット治療を希望される場合にかかる費用です。
- お支払い方法は現金またはクレジットカード(一括)となります。
- 3Dカメラ撮影
- データ解析によるゆがみの重症度判定
- ヘルメット製作
- ヘルメット装着と治療開始にあたっての確認
- 記録用アプリのご案内
再診時の診察費
- 無料(6回まで)
- 治療開始から終了までの定期診察(約1カ月ごと)
- ヘルメット装着による皮膚異常などの確認・診察いたします。
ご留意点
ヘルメットは赤ちゃん一人ひとりに対してすべてオーダーメイドで作成いたします。 お申し込み後の返金はいかなる理由であっても致しかねます。その旨ご了承ください。
赤ちゃんの頭のかたち外来の
診療時間、ご予約方法
- 通常の診療時間内に対応いたします。
- 完全事前予約制です。WEBまたはお電話でご予約ください。
- ヘルメット治療を必ずお勧めすることはございません。安心してお気軽にご相談ください。